都会や工場付近では、空気がまずいと感じる事も多いでしょう。それは、排気ガスや化学物質で空気が汚れているから。排気ガスに含まれる(一酸化炭素)は、酸素のかわりにヘモグロビンと結合して体内の酸素運搬能力を低下させるという恐ろしい一面もあります。

数百年前は25%近かったという酸素濃度が、環境汚染の為か、現在では平均して20〜21%にまで落ちています。現代人の誰もが酸素不足を意識すべき。閉じられた空間で働く人は、特に注意が必要です。

地下やタンク内など、低酸素の中で労働した人に酸素欠乏による労働災害が多く見られます。労働安全衛生法では、酸素欠乏症等防止規則により、労働中の酸素環境に気を配るよう定めています。

人間が取り込む酸素は、大きく分けると二つに分類できます。

呼吸で取り込まれた酸素のほとんどは、赤血球の中のヘモグロビンというたんぱく質と結びついて運ばれる「結合型酸素」になります。このほかに、ヘモグロビンと結びつかず、血液や体液に分子のまま溶け込んでいる酸素があります。これが「溶解型酸素(溶存酸素)」です。

「溶解型酸素」は「結合型酸素」に比べて体内での数は少ないものの、サイズがとても小さく、結合型酸素が通れないような毛細血管でも、すみずみまで通りやすい重要な酸素です。ヨガや気功の達人は、呼吸法によって肺の気圧を高め、このような溶解型酸素を取り込んでいるともいわれています。 

酸素には、疲労やだるさの原因となる血中乳酸を、分解・除去する働きがあります。そのため、体内の酸素量が多い人は、酸素量が少ない人よりも疲労回復にかかる時間が短くてすみます。つまり、酸素を取り込む力が高い人の方が、より速やかに疲労から回復できると考えられるのです。

酸素を十分に摂取して、体のエネルギー生産効率を高めることも、体をエネルギーで満たし、疲労感を和らげます。

さらに、肉体的な疲労だけでなく、精神的な疲労にも酸素は密接に関わっています。毛細血管はストレスの影響で収縮し、酸欠状態に陥りやすいので、そこに十分な酸素を供給することで、酸欠を防ぎ、心身のリフレッシュにもつながるのです。

 

脳は全身の司令塔。重量は体重の2%ほどなのに、1回の呼吸で摂取する酸素の約4分の1を脳が消費しています。

脳に酸素を補給するために巡る血液量は1日約2000リットル(ドラム缶10本分)にも達し、脳への酸素供給が途絶えた場合、脳の活動はすぐに停止。2〜3分で細胞破壊が起こります。

このほか、脳への酸素不足と関わりがある症状として、集中力・思考力の低下、物忘れ、不眠、疲労などがあげられます。松下電器が2006年に発表した研究によると、30%の高濃度酸素を吸いながら英単語を覚えた予備校生と、そうでない予備校生では、翌日のテストで、酸素を吸ったグループのほうが約15%多く英単語を記憶していたという結果がでています。

体内には「リパーゼ」という脂肪分解酵素があります。このリパーゼは脂肪を分解して血液中に送り込み、それをきちんと燃焼する働きをします。つまり、リパーゼは脂肪燃焼に欠かせない酵素。

では、このリパーゼが活発に活動するにはどうすればよいのでしょう。そこで登場するのが酸素。リパーゼの働きを活発にするためには酸素が必要といわれます。しかし体内の酸素が不足していると、リパーゼが活発に働かず、脂肪分解や燃焼を妨げるため、燃え残った脂肪は再び脂肪の塊となるのです。

短距離走などの無酸素運動に比べ、ウォーキングなどの酸素を取り入れながら行う有酸素運動がダイエットに効くと言われるのは、

そういうわけです。

 

低体温から脱出し、体温を保つための一番のポイントは、血液の巡りをよくして新陳代謝を活発にすることです。酸素摂取が十分足りているときは、血流がスムーズに保たれ、体内のエネルギーも十分な状態。また、血液が毛細血管のすみずみまで行き渡り、体の末端まで温かくなり、冷えの解消も実感できます。(※実感度合には個人差があります。) 私たちの体温は、平均36.5℃くらいに保たれているときがベストな状態です。体温が低下すると、免 疫力の低下、自律神経失調、慢性疲労など、さまざまなトラブルが増えてしまいます。あらゆる方法 で意識的に冷えを取り除いていくことは、健康な心身を保つために とても大切なことなのです。

スポーツ選手にとっても酸素は重要!短距離走のような無酸素運動では、酸素を使わずともエネルギーは賄えます。しかし、長距離の場合、細胞で酸素を媒体として筋肉収縮のエネルギー源をつくります。そのため体のすみずみにまで酸素を速やかに運ぶことができれば、運動効率は高まることに!また、筋活動が高まって酸素が不足すると、酸素を使わない方法でエネルギーを作り出すようになります。しかしその時、乳酸が発生し、これが蓄積すると筋肉疲労を引き起し、運動能力を低下させると考えられます。

この乳酸は、十分な酸素が与えられると、除去することも可能。酸素は疲労回復にも一役買っているのです。

肌の健康は、古い細胞が新しい細胞によって押し上げられ、はがれ落ちていくことで保たれます。その周期は、健康な肌で約28日。しかし代謝機能が衰えると、その周期が遅くなり、さらに古い細胞などの老廃物が表皮に残り、肌荒れやくすみの原因となってしまいます。

この代謝機能でも酸素は重要な働きをします。しかし肌細胞付近の毛細血管は外気・ストレスなどの影響で収縮しやすく、酸素不足になりやすい状態です。ですから、美肌維持の為に、酸素は欠かせないのです。

細胞内に十分な酸素が与えられると、エネルギー産生が促されます。そして細胞が元気になり、肌の生まれ変わりを正常にさせ、うるおいとツヤのある、みずみずしい素肌に導きます。

人間が栄養を体内に取り込むには、水が必要不可欠です。ほとんどの栄養は、水に溶けた状態で吸収されていますが、それは酸素も同じこと。酸素は通常は水に溶けにくい性質をもっていますが体を巡るときは血液の流れにのって、全身に届けられます。つまり、水と共に全身を巡っているのです。

また、酸素は空気を吸って肺で取り込まれるだけでなく「溶解型」の小さな酸素は、胃や腸などの消化器官からも吸収されています。最近、酸素を水に溶かした酸素水が人気ですが、それらは水道水より多くの溶解型酸素を含有しています。これを飲むことにより、肺だけでなく、胃や腸からの酸素摂取量が増え、体内酸素量アップが期待できます。

なぜ、人は酔っぱらうのでしょうか?

そもそも「酔っぱらう」とは、血液中のアルコールの濃度が高くなっている状態で、アルコールを飲む速さがそれを分解する速さを上回ることで起こります。

アルコールが分解されるときには、たくさんの酸素が必要とされます。そのため体内の酸素が不足すると、アルコールの分解を遅めてしまいます。どうにか分解されたアルコールは、次にアセトアルデヒドに変化し、更に水と炭酸ガスに分解されます。このときにも、酸素が必要です。しかし、酸欠の状態では、アセトアルデヒドが体内に留まってしまいます。

これが頭痛や吐き気・めまいなどの不快感を引き起す原因となるのです。